2015年の国勢調査によると50歳時点の独身男性は全体の30.2%を占め、1980年の5.83%から大幅に増加しています。
この結果から3人に1人以上が「中年独身男性」となる日がそう遠くないことが分かります。
近年、「結婚は必ずするものではない」という風潮はありますが、このまま独身のまま年を重ねるとどうなるのでしょうか。
今回は、50歳独身男性の孤独の実態と末路について解説していきたいと思います。
50歳独身男性が感じる孤独と短命の事実
まず、50歳で独身の男性が「孤独だ」と感じる時のアンケートデータを見ると
・病気で寝込んでも一人の時:58%
・旅行に行く相手がいない時:43%
・孤独死のニュースをテレビで見た時:36%
・ファミリーレストランなどで家族連れの隣で一人で食事をする時:35%
・休日に何も予定がない時、休日に一人で行動する時:34%
などが挙げられています。
独身男性は寿命も短命
2020年のデータによると、女性の平均寿命は87.74歳、男性の平均寿命は81.64歳と、男女で6年以上の差があります。
さらにこの平均寿命を深掘りしていくと独身男性の平均寿命は67.7歳と平均寿命に比べて極めて短命であることが分かります。
その理由の一つには、「生活リズムの乱れと不摂生」が挙げられます。
独身男性の死因の上位は、「糖尿病」や「高血圧性疾患」「心疾患」など生活習慣に起因する病気が目立ちます。
さらに、「孤独などによる精神的な疾患」も寿命に影響しているのです。
残念なことではありますが、配偶者がいる男性と比べて「未婚」「死別」「離婚」の男性の自殺率はとても高く、独身男性の寂しさや孤独が自殺の原因とも言えます。
また、アメリカの学術的研究においても「孤独な人は、人とのつながりを持つ人に比べて早死リスクが50%高くなる」との結果が出ています。
「孤独」の死亡リスクに対する影響は、
・タバコ1日15本を吸うことに匹敵
・アルコール依存症に匹敵
・運動をしないよりも大きい
・肥満の2倍大きい
と結論づけられています。
さらに、「孤独」は心臓病や認知症などのリスクも高めることが明らかになっています。
孤独とは心の空腹
「孤独とは心の空腹」とも言われており、人や社会とのつながりを求めている状態のことを言います。
生理的な空腹は、何か食べものを食べることで解決できます。
しかし、心の空腹を何かを食べるだけでは満たされず、解決するためには人とのコミュニケーションが重要になります。
ただ、40代を過ぎると周りの友人は家庭をもち、会社では後輩や部下が多くなり、気軽に話せる相手が減っていくのです。
つまり、孤独を解決するための人とコミュニケーションをとろうとしても相手がおらず孤独が強くなってしまうのです。
日本人男性は世界的に見ても孤独を感じている
国際機関OECD(経済協力開発機構)の調査で、周りに誰もいない人の割合を調べてみた結果、日本人男性が約17%と参加国21ヶ国の中で最も高い結果が出ました。
この結果は、世界平均の3倍近くで、スウェーデン人男性は約1%、アメリカ人男性は約4%という結果でした。
つまり、世界的に見ても日本人の独身男性は誰かと過ごさない孤独の状態であることが分かります。
参考URL:https://toyokeizai.net/articles/-/165983?page=3
50歳独身男性が待ち受ける末路
では、孤独と戦う50歳独身男性が待ち受ける末路はどうなるのでしょうか?
2015年の国勢調査では、50歳で一度も結婚した経験がない未婚男性が23.4%いることが明らかになりました。
この割合は「生涯未婚率」とも呼ばれ、その後に結婚する、結婚できる可能性が極めて低いとされています。
そんな独身男性が老後を迎えると、様々な壁にぶつかります。
保証人不在
歳をとった時、病院や介護施設に入るにも「保証人」が必要になってきます。
しかし、歳をとって独身で家族がいない場合「保証人」がおらず病院や介護施設に入れない可能性があります。
また、賃貸住居も保証人が必要なので、生活に様々な影響が出てきてしまいます。
孤独死
恐ろしい現実として、自宅内で死亡した事実が死後判明に至る「孤独死」のリスクもあります。
日本少額短期保険協会が2021年7月に発表した「第6回孤独死現状レポート」によると、孤独死に占める男性の割合は非常に高くて全体の83.1%を占めています。
その結果は、女性の約5倍にもなっています。
参考URL:https://www.shougakutanki.jp/general/info/
まとめ
50歳独身男性は、気軽に話せる人とのコミュニケーションが不足し孤独を感じている事実が良く分かりました。
さらに、孤独は短命や自殺・孤独死など様々な問題にもつながります。
「それだけでは勘弁してくれ!」という男性は、気軽に話せるコミュニティを探すなど行動に移してみるのも良いかもしれません。